交通事故シリーズ どんな損害を賠償請求できるか(第1回)―損害額の種類
弁護士 中野 直樹
今回から受けた被害のうち加害者側に請求できる損害額は何かについてシリーズとします。まずは、全般的な説明です。
人損と物損
身体・生命に被害を受けたときの損害を人損といいます。自動車や自転車などが壊れたときは物損と言います。
積極損害グループ
人損のうち「積極損害」と言われているものは、治療費、付添看護費、入院雑費、交通費、葬祭費、弁護士費用などです。これらは、被害者が費用の支出をしなければならないことから「積極」損害と言われています。
消極損害グループ
人損のうち、治療のため働けず収入が減少したことを補う「休業損害」、症状固定をしたが後遺障害がのこり、労働能力の一部を喪ったことを補う「逸失利益」、死亡したことによる「逸失利益」があります。いずれも将来の収入が得られなくなったことを損害とするものです。「積極」に対し、「消極」損害と言われています。
慰謝料グループ
人損のうち、症状固定までの怪我の治療期間に対する慰謝料、後遺障害がのこったときの将来に対する慰謝料、死亡したことに関する慰謝料があります。
2020/01/14