交通事故シリーズ ご注意 消滅時効(第4回)―自賠責保険の時効
弁護士 中野 直樹
時効期間は3年に
自賠責保険に対しては被害者請求をすることができます。長らく、この請求権は、損害及び加害者を知ったときから2年間とされていましたが、2010年の法律改正で、3年間に延長されました。
治療が長引いている場合にも、負担した治療費や休業損害、慰謝料等について3年以内に請求する手続きをとっておく必要があります。
加害者が、被害者に対し自己資金で賠償金を支払った後に、自賠責保険に対し支払額を請求する加害者請求の場合には、被害者に対し弁償金を支払ったときから3年間となります。
後遺障害の時効起算点は症状固定時
自賠責保険に対し後遺障害を請求する場合には、症状が固定したときから3年間の時効期間が始まります。
時効の中断なし
この自賠責保険に対する請求権の消滅時効は、自賠責保険独自のものです。したがって、前回お話をしました、被害者が債務を承認しているとか、民事裁判を行っているとの事実があったとしても、自賠責保険への請求権の時効を中断することにはなりません。
2019/06/07