交通事故シリーズ ご注意 消滅時効(第1回)―3年放置で消滅
弁護士 中野 直樹
時効は3年
交通事故に基づく損害賠償請求権は、被害者が、損害及び加害者を知ったときから3年の経過で消滅時効にかかります。死亡事故の場合のすべての損害や、怪我の場合の治療費、休業損害、慰謝料の損害がこの対象となります。怪我がなかなか治りきらなかったり、加害者側との交渉が進まず、ずるすると時が経過してしまっているときには注意しましょう。
後遺障害はどうなる
後遺障害であっても、たとえば骨折をしたことに伴うものであり、事故直後の治療の段階で、将来後遺障害として残ることが予想されるものであるときには、事故直後からこの3年間が始まるとする裁判例があります。
これに対し、負傷をした後かなりの期間経過後に、事故発生時には医学的に予想することができなかった症状が生じ治療がなされた場合には、新たに発生した症状の治療費や休業損害等についての時効期間はその治療が終了した時点から3年となります。さらに、後遺障害が残ってしまった場合の後遺障害についての時効期間は、、症状固定時から3年間となるとするのが判例です。
2019/03/07