交通事故シリーズ 他人が起こした交通事故の責任(第1回)
弁護士 中野 直樹
交通事故を起こしたとき、運転をしていた本人は、行政処分や刑事罰を受けることがあるともに、被害者の人損・物損について損害賠償(民事)責任を負うことになります。民事責任については、運転者本人の外に、事業のために運転者を使用していた者に「使用者責任」が生ずることもありますし、人身事故の場合には自賠法という法律で、「運行供用者」が責任を問われることもあります。
万一重大事故が発生した場合には、被害者も加害者も深刻な事態になりますので、任意保険に入っておくことは大事です。任意保険は保険料額に応じメニューが豊富ですが、誰が運転をしていたかによって保険会社の負担が異なる内容となっていることがありますので注意が必要です。契約書に書かれていない者が運転をして事故を起こしてしまった場合には、保険会社はたとえば50%の範囲でしか保険金を支払わないことになります。この場合には残りの損害賠償金は車の持ち主自身が用立てをしなければならなくなりますから大変です。
子どもが免許をとり運転することになったときには、必ず契約の見直しをしましょう。
2017/09/19