法律マメ知識

ご近所トラブル(全2回) 第2回

騒音(ご近所トラブルあれこれ-その3)

 お隣の家のピアノを弾く音が大きい、あるいはマンションの上階の生活音がうるさいと、悩まされることがあります。このような場合、まずは話し合いで解決することが望ましいと思います。騒音を出している方は自分が騒音を出していることを認識していない場合もありますので、どんな騒音なのかを知ってもらうことが必要です。防音工事をしてもらう、床材等を変えてもらう、等々と、話し合いで解決することもあります。当事者間で話し合っても解決できない場合、簡易裁判所に調停申立をすることもできます。それでも解決できない場合には、差し止め請求や損害賠償請求の裁判ということになりますが、かなりひどい騒音でないと、差し止め請求の対象とはなりません。各自治体の騒音防止条例では、昼間(午前6時から午後10時まで)であれば、60デシベル(鉄道のガード下程度)以上の騒音をたててはならないとしています。損害賠償請求では、音量だけでなく、音質、継続時間、意図的なものかどうか、等々によって、損害賠償の対象になるどうかが判断されます。

空き家・空き室(ご近所トラブル-その4)

 最近、ほったらかしの空き家、空き室が問題になっています。隣家が空き家になり、草木が伸び放題。マンションの一室が空き室になっていて、長期間、管理費未納。このような場合、まず、空き家、空き室の所有者を調べます。不動産の登記簿上の所有者を調べることは誰にでもできますので、法務局で不動産登記の全部事項証明書をとります。しかし、登記簿上の所有者がわかっても、その方はすでに亡くなっているという場合もあります。所有者が亡くなっている場合、相続人が所有者ですから、相続人に管理を要求することになります。しかし、相続人調査は、弁護士、司法書士等に依頼しなければできません。相続人調査のために戸籍謄本をとるには、法律事務を行うという目的が必要です。所有者に対して法的に何を請求できるのかを明らかにする必要があります。お気軽に弁護士にご相談ください。相続人がいない場合には、家庭裁判所に相続財産管理人選任の申立をします。そして、選任された相続財産管理人が空き家・空き室を処分し、新たな所有者を探すことになります。

2013/08/15
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