事例紹介

派遣法40条の6(派遣先の直接雇用義務)を用いて雇止めを阻止!

弁護士 和泉 貴士

 英会話の先生として派遣元に雇用され、都内の私立学校に派遣されていた方から相談を受けました。

 1年更新の契約で同じ学校に10年以上勤務していたのに、突然学校から、「今年4月から来なくて良い。」と言われ、さらには、派遣会社からも「雇用契約を解除する。」と言われ給料が4月から無くなるとのこと。途方に暮れている様子でした。

 このような場合、実は労働者を簡単に解雇することは許されません。派遣法40条の6は派遣可能期間(3年)を超えて派遣労働者を受け入れた派遣先については、派遣労働者の希望があれば直接雇用する義務を規定しているからです。

 先生には、地域の労働組合に加入していただき、組合から直接雇用を求める団体交渉をしていただきました。弁護士は組合との合同会議に参加し、法的なアドバイスを行いました。とくに、本件は、派遣先が労働契約法18条にも違反していたため、派遣法と労働契約法いずれを使い誰に何を請求するのが最も有利か戦術面での検討を行い、組合をサポートしました。

 その結果、学校の雇止めは阻止され、相談者の先生の雇用は維持されました。

 なお、弁護団は当事務所の半田弁護士と和泉、三多摩法律事務所の田所良平弁護士です。相談者の先生との打ち合わせ(英語)は、半田弁護士が通訳として活躍してくれました。

 

2022/05/26
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