任意整理って、どういう手続きですか?
任意整理とは、債権者の各々と交渉をして、生活が破綻しないように月々の支払額を決めてもらったり、借金の額を最初の取引から計算し直して、債権者の主張する額がそれより多い場合には減額してもらったりする手続きです。手続きとはいっても裁判所を通すものではないので、話し合いで具体的な条件を決めていくことになります。不利な条件とならないように交渉するには法律的な知識が必要になりますから、弁護士等の専門家に依頼することをお勧めします。
任意整理とは、債権者の各々と交渉をして、生活が破綻しないように月々の支払額を決めてもらったり、借金の額を最初の取引から計算し直して、債権者の主張する額がそれより多い場合には減額してもらったりする手続きです。手続きとはいっても裁判所を通すものではないので、話し合いで具体的な条件を決めていくことになります。不利な条件とならないように交渉するには法律的な知識が必要になりますから、弁護士等の専門家に依頼することをお勧めします。
カード会社等のいう借金残高は、実際に計算し直すとそれよりも額が少なくなる場合が珍しくありません。特に長期間に渡って返済している場合には、大幅に借金が減る可能性もあります。
また、弁護士に依頼しますと、弁護士から債権者に受任通知が出されます。そうすると、ほとんどの場合、それ以降債権者からの取り立ては一切なくなります。
デメリットとしては、任意整理をすると、金融機関等に信用情報が登録されてしまいますので、その後一定期間借金をすることはできなくなります。また、新たなクレジットカードを作ることもできなくなります。
ただし、勤務先などに情報がもれることはありませんので、ご安心ください。
任意整理は、あくまで生活が破綻しないように計画立てて借金を返済していく手続きですから、借金が多すぎて返済の見込みが全くないような場合には任意整理の手続きをとることは困難です。その場合には破産等の別の手続きを考えていくことになります。ただ、「任意整理をすると、どんなメリットがあるのですか?」のとおり、計算をし直すと借金の残額が大幅に減ることもあり得ますので、借金でお悩みの方は、まずは一度お気軽に弁護士にご相談ください。
貸金業者等からお金を借りて月々いくらずつ返済するというような場合があると思います。貸金業者の中には利息制限法で許された上限(年15~20%)以上の金利を定めているところがあります。そのような場合、きちんと法律に基づいて計算し直しますと、すでに借金は返し終わっていて逆に借りたお金を超えて払いすぎている場合があります。これが、「過払い」です。払う必要がないお金を払ったわけですから、もちろん正当な権利として返還を請求することができます。
はい、取引中でも計算をし直して過払い状態となっていれば返還請求できますし、取引後でももちろんできます。ただ、原則として最後の取引(借金の返済のことが多いと思います)から10年が経過してしまいますと、消滅時効が成立し、もはや請求することができなくなってしまいますので、注意が必要です。
破産というのは、借金がたくさんあって全財産でも返しきらないときに、全財産を処分して金銭に換えて、債務者に配当することをいいます。 破産をしたら、借金がチャラになるんじゃないの?と思うかもしれません。それは、「免責決定」といいます。破産申し立てのほとんどは、この免責決定を得るために行います。預貯金が20万円以下など一定の要件を満たせば、財産を処分して債務者に配当するという手続きを省略して免責決定を得ることもできます。
破産をして免責決定を得ると、全ての借金が全部法律的に返済しなくても良くなります。これが、破産の一番のメリットです。借金がなくなり、取り立てから解放されます。ただし、税金や養育費、また、不法行為によって支払い義務が生じているものについては、破産によっても支払いを免れることはできません。
逆に、破産のデメリットとしては、以下の6つがあります。
官報に名前が載ると言っても、官報を見たことのない人がほとんどです。戸籍や住民票に破産をしたことが記載されることもありませんし、選挙権もなくなりません。周囲の人に破産したことが明らかになる心配はほとんどありません。
せっかく破産手続きを開始しても、免責決定が得られない場合があります。それは、「免責不許可事由」に該当する場合です。免責不許可事由は、
…など全部で11項目が定められています。債権者を害する目的で財産隠しをしたり、ギャンブルで使った借金である等です。また、一度破産をして免責決定をもらった人は、7年間次の免責が受けられません。
ただし、この免責不許可事由も絶対ではありません。事情によっては免責が認められることもあります。思い当たる点がある方は、お気軽に弁護士にお問い合わせください。
破産管財人は、破産者の財産を管理して、できる限り有利に売却して換価・配当をします。財産を隠していないかチェックするために、破産者の郵便物は破産管財人に送られます。自分の財産なのに、他人に任せるのはちょっと不安かもしれませんが、借金を免責してもらうにあたって債権者には迷惑をかけることになるので、少しでも多く換価して配当するために破産管財人が必要なのです。
管財人のつかないケースでも、だいたい、免責決定が出るまで6か月~が目安になります。管財人がつく場合はそれ以上かかります。個別の事情によって申立まで時間がかかる場合などもあります。担当の弁護士にお尋ねください。
破産の場合は、自宅不動産も財産ですから、換価して配当に回されてしまいます。自宅を手放さずに破産ということは、通常できません。
ただし、こういう場合のために破産ではなく民事再生手続で、住宅資金貸付債権の特則というものがあります。住宅ローン以外の借金について個人再生手続で債務整理をする方法です。もっとも、この特則を使っても住宅ローンは残ってしまうため、借金のほとんどが住宅ローンである場合には向いていませんし、住宅ローンは払い終わったという場合にも、意味がありません。
自宅不動産を守りながら債務整理をしたい場合には、どういった手続きを選択すべきか、ご相談ください。
民事再生手続は、個人にも会社にも使える手続です。そのうち、個人向けの民事再生は、民事再生法にもとづいて、裁判所の関与のもと借金の返済計画を立て、その計画にしたがって債務者の再生を図る手続きです。「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の二種類があります。
破産は、借金を全部ゼロにしてしまう手続きですが、もし、財産があれば処分して金銭にした上で債権者に配分しなければなりません。
民事再生は、借金の一部を免除してもらうものの、残りの借金についてはきちんと見通しを立てて返済計画通りに一定期間支払いをしなければなりません。借金の支払いを全て免除されるとはならないものの、強制的に財産を処分されることもありません。
しかも、破産の場合は“破産管財人”が債務者の財産管理をしますが、民事再生の場合は原則として債務者が自分の財産管理をしながら再生計画通りに再生手続を進めることができます。
どちらの手続きをとるべきか、迷った場合にはご相談ください。
おおまかな流れとしては、(1)申立て、(2)開始決定、(3)債権調査、(4)再生計画案、(5)再生計画の認可、(6)再生計画の実行です。
申立までの準備の期間も含めて、⑥再生計画の実行までには少なくとも6か月はかかります。